贈り物といえば、真っ先にお中元やお歳暮が思い浮かびます。

今ではほとんど形式化した習慣になっていますが、もともとこれらの贈答の習慣も、日本特有の信仰心から始まっています。

お中元とは

現在では、お中元といえば、日ごろお世話になっている人へ、夏のあいさつを兼ねて品物を送る事ですが、もともとお中元とは7月18日のことを指していました。

中国の道教の暦法では、中元は三元の1つで、他に1月15日の上元、 10月15日の下元がありました。

やがて道教と仏教の共通の祭日になると、三元説と呼ぶようになり、7月15日の中元には盂蘭盆会の仏事がお寺などで、盛大に行われるようになりました。

仏教が日本に伝来すると、7月15日の中元の盂蘭盆会はお盆の行事になりました。

その際に子供から親に魚などを送るようにもなりました。

しかし、そのころまでの贈答は家族の間だけで行われていました。

お中元が現在のように仕事関係などでお世話になった人に送られるようになったのは、明治30年代に入ってからです。

百貨店などが売り上げが落ちる夏の時期の対策として大売り出しを行ってから、お中元を毎年、夏に贈答する習慣が定着したといわれています。

お中元は、日頃からお世話になっている方へ、感謝の気持ちと、これからも長いお付き合いをという思いを込めて贈ります。

関東なら6月下旬から7月15日まで、関西なら7月中旬から8月15日までの間に贈り物が届くようにしましょう。

もし遅れた場合は、立秋までなら、表書きを「お中元」と書かずに「暑中見舞い」または「暑中御伺」と書きます。

8月18日の立秋過ぎの場合は「残暑見舞い」または「残暑御伺」と書くのが無難です。

お歳暮とは

お歳暮も元々お中元と同じように、年の暮れという時期を指していましたが、やがて年末に送る贈答のことを指すようになりました。

もともとは年の暮れになって先祖の霊や年神さまに、米や餅、魚などを供える供物を家族で持ち寄ったことに由来します。

それが、正月の直前に仕事などの都合で帰省できなくなった子供や遠くの親戚たちが、祖先の霊を守る本家の祭壇などに備えてもらうための供物を送るようになり、同時に親の長寿を願ったものが合わさって、お歳暮に変わっていきました。

もともとは、お歳暮は主に塩ぶりや塩鮭などの魚が多く送られていました。

これらの魚は年取り肴といわれ、年越しの直前には必ず出されていました。

これらの魚は塩引きなどの処理によって長期保存できたので重宝されました。

このようなお歳暮の習慣は、やがて普段からお世話になっている上司や親戚などにも送られるようになっていきました。

お歳暮を贈る時期は、一般的には12月上旬から25日ごろまでです。

この時期に送ることができなかった場合は、年が明けてから表書きを「御年賀」と書いて送ります。

お中元やお歳暮で何を送るか迷ったら

お中元やお歳暮はお世話になっていることに対する感謝の気持ちを伝えるためのものです。

お中元は恒例のご挨拶としてするものですが、お歳暮は1年間お世話になったお礼の代わりの贈り物です。

ただし、両方送るのが負担になる場合は、お歳暮だけを送って、お中元を贈る代わりに、暑中お伺いの手紙で、こちら側の心遣いを伝えるようにするとよいでしょう。

お中元を贈る時期は、7月はじめから15日までです。

デパートから送る場合は、お中元の時期が近づいてくると混雑します。

6月中の空いている時期であればゆっくり選べるので、ありきたりな品選びにならずに済みます。

お歳暮を贈る時期は12月初めから20日ぐらいまでです。

年末は相手が旅行に行ったり、帰省したりすることもありますので、特に生ものを送る場合には注意したいところです。

何を送ればいいかも頭を抱えるところです。

そんな場合は、贈る相手の家族構成を把握しておくことも大切です。

子供やお年寄りの年齢などを住所録の端にメモしておくと、品物選びの参考になります。

人数が少ない家族に量が多いものを送るのは相手に迷惑がかかります。

相手の体調や好みも考えて、高血圧の人に塩分が高い佃煮などや、お酒を飲まない人にワインやビール券などは避けましょう。

送って喜ばれるのは、季節感があるものです。

毎年同じものを送ると、それを期待してもらえる効果があるともいいますが、贈答の贈という字は、もともとは珍しい品物を送るという意味です。

ですから、たまにはちょっと気の利いた珍しい品物を選んでみるのもよいでしょう。

費用は交際の程度などによって変わりますが、お中元の平均は3,000円前後、お歳暮の平均は3,000円~5,000円が一般的な金額のようです。

これらの相場にこだわる必要はありませんが、お中元やお歳暮を選ぶ際には、相手の顔や家庭を思い浮かべながら品選びをするようにしたいところです。

昔は、一般人の場合、お歳暮は親元で会食するために、子が餅や塩鮭・鰤(ぶり)などの魚を持っていき、親元はそのお返しにお酒を出したり、持たせて帰したりしました。

このように、親子の義理の付き合いから始まり、少しずつ現在のような形に変わっていったとされています。

また、江戸の商家では、12月は決算期なので、12月に顧客や得意先に贈答品を送る習慣があったことから、現在のようなお歳暮の風習になっていたともいわれています。

お歳暮を贈る時期については、 12月20日頃までには届けたいところです。

暮れも差し詰まってからでは、贈る側もいただいた側も慌ただしく感じるので、こんな場合は、年が明けてから「年賀」として送った方がよい場合もあります。

お中元とお歳暮のマナー

正式には直接訪問して渡すのですが、デパート発送や宅配でもかまいません。

その場合は、挨拶状を入れるか別送しましょう。

訪問する場合は、まず相手の都合を確認しましょう。

必ず事前に相手の都合を伺います。

目上の方への訪問であれば、手紙で確認する方がよいでしょう。

また、忙しい時間の訪問は避けましょう。

早朝や食事中の訪問は失礼にあたります。

比較的落ち着いていそうな10~11時か13時以降に訪問したいものです。

大幅な遅刻は厳禁ですが、早過ぎるのも迷惑がかかります。

約束より5分過ぎたくらいに着くのが最善です。

贈り物を渡すときは、まず贈り物を下座にあたる入り口側に置き、丁寧にご挨拶します。

この時点では、まだ座布団には座らないようにしましょう。

座布団には、贈り物を渡した後に座ります。

次に、風呂敷から品物を取り出し、自分の正面に持ってきます。

このとき品物の正面は自分側にします。

次に、品物を相手側が正面になるように手で回転させます。

畳の上であればそのまま滑らせて渡し、テーブルの上であれば少し持ち上げて渡します。

訪問後は、おもてなしへの感謝をお礼状で忘れずに伝えましょう。

お中元とお歳暮のお礼状の書き方

贈り物をいただいたり、お世話になった方には必ずお礼状を出すようにします。

お中元やお歳暮をもらった場合、相手の好意に対してのお礼は、なるべく早く出すのが基本のルールです。

また、相手と特に親しい関係であれば、取り急ぎ電話で、というのでも構いませんが、お礼状の基本は、お中元やお歳暮が届いたその日か、翌日に出すことです。

はがきでいいのですが、あくまでも感謝の気持ちが相手に伝わるように書くことが大切です。

一般的には「美味しいものをありがとうございました」や「結構な品をいただき」といったありきたりな文面になりがちですが、できればもう少し具体的に、その品がどう役に立ったか、どのように利用するか、食べ物なら食べたときの家族の感想なども書き添えると、送ってくれた相手に喜んでもらえます。

また、お礼状をすぐ出せるように、官製はがきや記念切手などを普段から用意しておきたいところです。