かつては日本人は魚を食べることが多かっのですが、今では魚よりも肉を多く食べるようになったと言われています。

魚はお刺身のように生で食べることがありますが、基本的には、お肉はよく焼いて食べなければいけません。

お肉を焼かずに食べると食中毒菌などによる健康被害は出てくることもあるので、お肉によって生じる疾患を知っておきましょう。

牛肉は外側だけ焼けば生で食べてもよい

牛肉はレアで食べるという食べ方もあり、内側だけ生で食べても問題ないとされています。

食中毒菌は主に肉の表面に付いているので、肉の表面や側面をしっかり焼けば、基本的に牛ステーキは中が赤い状態で食べても問題ありません。

しかし、食中毒菌は時間が経過するにつれて、肉の表面から内側に入っていくため、子供や高齢者、抵抗力がない方は、中までしっかり焼いてから食べましょう。

ただし、生ホルモンについては、生のまま食べず、中までしっかり火を通し、加熱してから食べましょう。

というのも、食中毒の原因にとなるウイルスや細菌は、基本的には肉の中にはおらず、消化管の中にいます。

消化管の中というのは体外に当たりますが、このウイルスや細菌が解体作業をしている間に漏れて、肉の表面に付着してしまうことがあるからです。

そのため、基本的には鶏肉や豚肉は、しっかり加熱してから食べなければなりません。

鶏肉を食べる際には、ピンク色の部分がなくなるまで、しっかり加熱しましょう。

とくに子供や高齢者、抵抗力がない方は、生で食べたり、食べさせないように注意しましょう。

牛肉と違って豚肉の焼き方にレアがないのは、牛肉よりも豚肉の方が寄生虫がつきやすく、細菌によって肉が傷みやすいためです。

ですから、必ずよく加熱してから食べましょう。

お店などで一般に流通している牛肉や豚肉、鶏肉などの生肉や生ホルモンなどの内臓物は加熱調理用として売られています。

生食用食肉として国内で販売されているのは、馬肉や馬レバー、1部の牛肉などに限られています。

生食用と表示されて販売されている物だけで、流通量は少なめです。

鶏肉や豚肉を食べる前に加熱しなければならない理由

鶏肉を食べる前に加熱する理由

様々な料理に入っている鶏肉の調理法には、注意が必要です。

重要なのは生で食べないようにすることです。

カンピロバクターやサルモネラ菌によって食中毒を引き起こす危険があります。

鶏肉の50~70%は、このような食中毒菌を持っているとされています。

どちらの菌も過熱で死滅させることができます。

75度以上、1分間以上で死滅させることができるので、加熱してから食べましょう。

鶏はとくに保菌率が高いため、多くの人が感染しています。

ギランバレー症候群は、様々なウイルスや細菌などが原因ですが、とくにカンピロバクターによって起こりやすく、神経が免疫システムに攻撃されて起こります。

これにより、年間で約2,000人が発症しています。

鶏肉の20%はサルモネラ菌に汚染されていますが、そのうちの40%は抗生物質が効かない耐性菌で、肉の内部にも菌が生息しています。

豚肉を食べる前に加熱する理由

豚肉には特殊な寄生虫がいます。

胸肉の中にいる寄生虫に、有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう)(サナダムシの一種)という種類の寄生虫がいます。

有鉤条虫が、脳や眼球に寄生するため、重篤な症状になることが多いです。

有鉤条虫は体長が2~3メートルで、小腸に寄生し、生の豚肉を食べています。

肉の中にいる有鉤条虫の幼虫を摂取することで感染します。

かつては、トキソプラズマという原虫に感染している人がたくさんいました。

トキソプラズマは、妊娠中の女性が感染すると、胎児の健康に悪影響を及ぼしたり、最悪の場合、流産に至ることもありますが、現在ではほとんど見られなくなったそうです。

豚は飼育されている間に、 高確率でE型肝炎ウィルスに感染します。

そのほとんどは出荷される6ヶ月齢になると消えてしまいますが、中には6ヶ月齢になっても、肝臓と糞便にB型肝炎ウィルスが残っているものもあります。

潜伏している期間は、 2~9週間、平均で6週間くらいで、発熱、腹痛、悪心などの症状が始まり、黄疸を引き起こします。

重症の場合は命を落とすこともあります。

その原因であるサルモネラ菌は、様々な動物の腸内に存在し、サルモネラ菌に汚染された肉を食べると感染します。

もちろん豚にもサルモネラ菌は存在しており、世界的にも増加しています。

サルモネラ菌が入っている食品を食べると、 8時間~72時間で腹痛、下痢、発熱を起こします。

エルシニア食中毒は、健康な豚の約20%に存在しているといわれており、汚染された肉を加熱が不十分なまま食べたり、二次感染などによって感染します。

食中毒菌に汚染された食品を食べると、約1週間で胃腸炎になりますが、敗血症など、様々な症状を起こすこともあります。

生ホルモンが原因の食中毒が多発している

生ホルモンを食べて集団食中毒になり、多くの人が病院に搬送されたというニュースをテレビなどでよく見かけることがあります。

食中毒にかからないようにするには、「生食でも大丈夫だ」と言われても、信用しないようにしましょう。

最近では鶏肉の生食が全国的に広まっていますが、それによって食中毒も年間約500件発生しています。

とくに若い人に多いようです。

近年では、カンピロバクター食中毒の発生件数が多くなっています。

そのほとんどが飲食店で鶏刺身、鶏わさ、レバー、タタキを生で食べたことが原因です。

また、豚の生き血が大好物の男性の脳内から寄生虫が19匹発見されたというニュースもありました。

視力低下とめまいに悩んでいた、この青年の大脳には、なんと19匹もの寄生虫がいました。

その原因が、彼の大好物の豚の生き血だったそうです。

有鉤条虫が寄生している豚の肉や血を十分に気を通さないまま食べてしまうことで、人に感染します。

これを食べると、人間の血に幼虫が入り、それがやがて脳に達します。

生ホルモンによる食中毒のリスクを回避するには

肉の生焼けに注意して、しっかり加熱しましょう。

できるだけ新鮮な肉を、信頼できる調理師がさばいて、 しっかり加熱してから食べるということが必要です。

新鮮で質の良い食品を取り扱っているか、冷蔵庫、冷凍ケースが十分冷えているか、衛生的か、などに注意して、お店を選びましょう。

サルモネラ菌、カンピロバクター、病原性大腸菌など、ほとんどの食中毒菌は、75度以上1分間の過熱で、ほとんど死滅します。

ノロウイルスは、85度以上1分間の過熱で、ほとんど死滅します。

加熱調理品は、75度で1分間以上を目安に、十分に加熱しましょう。

食器や食材に触る前だけでなく、生肉や魚介類に触ったり、ゴミ箱に触ったり、料理の途中でトイレに行ったり、ペットに触ったり、子供のオムツを交換したりした後には、必ず手を洗いましょう。

冷蔵庫から生肉を出したらすぐに調理する

保冷状態ではあまり菌繁殖しませんが、常温では繁殖しやすくなります。

必要以上に食品を冷蔵庫に詰め込みすぎると、適正な温度で保存できなくなり、生肉は細菌に汚染されやすくなるので、注意しましょう。

保存には清潔な食器や器具を使います。

肉や魚などの生鮮食品は、容器やビニール袋に分けて入れます。

冷蔵庫に入れてある他の食品に当たらないようにします。

料理を中断して、そのまま常温で放置しておくと、細菌が食事についたり、触れたりすることもあるので、中断するときは、冷蔵庫に入れるようにしましょう。

食べ残した食品を温め直す際にも、しっかり加熱しましょう。

時間が経って、少しでも危ないと思ったら思い切って捨てましょう。

まとめ

たとえ食中毒といっても、免疫力が低下したり、抵抗力がなければ、命を落とすこともあります。

生ホルモンの食中毒は予防できるので、しっかり加熱処理しましょう。

夏場は肉に菌が増殖しやすいので、冷蔵庫の温度が下がらないように、物を詰めすぎたりせず、しっかり温度管理をしましょう。

また、スーパーで買い物をしたらすぐに冷蔵庫に入れることも忘れずに行いましょう。