嘘は何気ないしぐさに表れる

嘘を見破るのはかなり難しく、ほとんど不可能なことも多いでしょう。

しかし、意外と見逃されることが多いのですが、実際にうまく嘘をつくことも、そう簡単ではありません。

誰かに嘘をつくには、それらしい表情を作ってしゃべらなくてはならないのですが、逆に、本当のことを言うときには、ただ事実を思い出しながらしゃべればいいので、あまり複雑ではないはずです。

私たちは、嘘をつくときには、大半の場合、自分の身振りに注意し、意識してコントロールしようとします。

自分の嘘が見抜かれないようにするために、アイコンタクトの長さをどのくらいにすればいいか、手をどのように動かせば怪しく見えないか、などと様々なことを考えます。

すると、身体言語には何らかの変化が表れます。

そして、身体言語と実際に話している言葉とが食い違っていると、聞き手は本能的にそれに気づくものなのです。

完璧に嘘を見抜くことができる確実なサインは存在しません。

しかし、参考になるヒントは存在します。

嘘を見抜く際に注意しなければならないのは、様々なしぐさです。

それは身体だけでなく、声の調子や話すテンポ、言葉の選び方なども関係しています。

微妙な違いを読み取らなければならないのですが、当然、誰かの嘘を見破ろうとするならば、その人の普段の喋り方などを事前に知っておく必要があります。

心理学では、これをベースラインと言います。

これを嘘を見破る判断基準にします。

相手の身体言語がこのベースラインからそれていれば、注目する必要があります。

その人には何かが起こっていて、もしかすると、嘘をついてるのかもしれません。

嘘を見抜く力を身につけたいのであれば、まずは相手の話を注意深く聞いてみる必要があります。

・相手の口調に何らかの変化はないか
・声の高低が頻繁に変わっていないか
・話すテンポは速いか、遅いか
・咳払いが急に増えていないか

このような現象はすべて相手の心の中で何らかの変化が起こったことを示しています。

例えば、親に若い男の子が「夜の10時には必ず家にいる」といったときに、上記のサインが1つでも聞こえれば、この男の子は約束を守らないかもしれません。

もう一つの例として、友人をパーティーに誘ったところ、「残念だけど行けない」と断られてしまったとします。

しかし、もしその友人が答える前に咳払いをして、少し戸惑っていたとしたら、どうでしょう。

「ああ、そのー、えーっと…、今日はちょっと体調が悪いので、あのー」

こうなるとちょっと怪しい気がします。

もちろん、このようなサインはどれも100%確実というわけではありません。

相手が嘘をついていないこともあるでしょう。

とは言え、私たちにとっては、このようなサインは少なくとも警告のシグナルにはなります。

このようなサインが耳に入ったら、より注意深く聞くようにしましょう。

左手で唇を触るのは嘘のサイン

また、嘘をついている人はいつもより笑顔が増え、自分の顔に触れる回数が多くなります。

特に、口と鼻を触る人が多いです。

あたかも今発言した内容を口の中に戻してしまいたいとでもいうように、唇に触れることがあります。

また、このしぐさはほとんど左手で行われます。

これは、その人の利き腕がどちらであっても関係ありません。

嘘をつくときにくちびるに触れるのは緊張のためだと考えられますが、この行動には不安を表している場合もあります。

というのも、自分の言うことを相手に信じてもらえないのではないかという不安と、相手に嘘がばれるのではないかという不安は、見た目に表れるしぐさが全く同じだからです。

嘘をつくときに増えるしぐさとは

人は嘘をつくときには、ある共通のサインを示します。

これは本当のことを言っているときには全然見られない特徴です。

そのサインは以下のようなものですが、ここでのポイントは動きが増えることです。

・肩をすくめる回数が増える
・椅子の上で座る回数が増える
・自分の顔に触れる回数が増える
・手の動きが増える

人は嘘をつくと身体にあるホルモンが放出され、その作用によって鼻の周辺の血行が良くなり、かゆくなります。

これは子供でも同じです。

逆に減るのが言葉です。

嘘をついている人は言葉数が少なくて、不自然に細かいことを覚えています。

対して真実を言っている人は、言葉を駆使して説明をしますが、覚えていない事は正直にそう言います。

また、嘘をつくと相手の目を見ることができず、視線をそらしてしまうとよく言われますが、それどころか、実際はむしろ逆なのです。

私たちは思考してから考えを言葉で表すときに、通常は視線をキョロキョロさせます。

しかし、嘘を付いている人は事前に言うべき内容を準備しているので、視線をキョロキョロさせて考える必要はありません。

実際に、相手の目を凝視しながら嘘をつくことはとても簡単です。

これは実際にやってみると分かります。

相手の目を凝視しながら、例えば「ピサの斜塔はパリにあるんだよ」、あるいは「お義母さまが家にきてくれたら嬉しいわ」や「これ、前から欲しかったんだよ」といえば、おそらく簡単に嘘がつけたことでしょう。

嘘をついている子供を見分ける方法

あなたに妻と3人の子供がいるとします。

ある日、あなたはあなたのノートパソコンの画面に大きな傷がついているのを見つけました。

自分で傷をつけた覚えはなく、妻は自分のノートパソコンを持っているとなると、考えられるのは、 3人の子供のうちの誰かだろうと思われます。

そこであなたは子供たちを呼び集めて、ノートパソコンの傷を見せ、「これを最後に使ったのは誰だい? 」と尋ねたとしても、誰も返事をしません。

そんな時、嘘をついている子供を見つけたいのであれば、必ずしも3人の子供の中の誰が嘘をついているのかを見つける必要はありません。

逆に嘘をついていない子供を見つければいいのです。

子供に1人ずつ順番に「ノートパソコンに傷をつけたのはお前かい? 」と尋ねていきます。

この時に、あなたが特に注意して観察しなければならないのが、質問されていない他の2人の子供の様子です。

今質問されている子供は、意識を集中して身体言語に気をつかっています。

しかし、他の子供が質問されている間は、注目されていないだろうと思い油断してしまいます。

そのため、身体言語にも様々なサインが現れるのです。

そこで、子供に質問をしているときにさりげなく他の2人を観察します。

ここで注目すべきなのが、興味があることを示す身体のサインです。

嘘をついている子供は、他の子供がどう答えるかについて全く興味を示しません。

というのも、その子供が嘘をついていないということを知っているからです。

そんなことよりも、自分が嘘をつき通すことができるかどうか不安でプレッシャーを感じています。

逆に、本当のことを言っている子供は、そのようなプレッシャーを全く感じていません。

むしろ他の子供がどのように答えるか、どうやって嘘をつくかを興味深く見守っています。

そのため、しっかり子供を観察していると、3人のうち2人は、他の子どもが気になって仕方がないという様子を見せるはずです。

3人のうち2人は、身を乗り出し、顔をそちらのほうに向けて、他の子供の答えをじっと聞いているのです。

その時に1人だけ、そうでない子どもがいるはずです。

誰が嘘をついているか、もうおわかりですね。

子供が嘘をつく本当の理由とは

では、子供はなぜ嘘をつくのでしょうか。

アンジェラ・D・エバンズとカン・リーという心理学者の研究によると、子供は2歳位から嘘の話をするようになり、3歳になるとかなり頻繁に嘘をつくようになるといいます。

ただし、このくらいの年齢の子供は、まだ嘘をつき通すだけの能力がありません。

あまり細かいところまで考えが至らず、簡単に嘘がばれてしまったり、突然自分から本当のことをばらしてしまったりします。

これは特に小さな子供が正直だからというわけではありません。

嘘をついたり人を騙したりするには、子供の脳がかなり未熟だからです。

つまり、嘘の質がまだまだ低いということなのです。

これが7、8歳位になると、 2〜4歳位の頃にはなかった新たな能力が子供の嘘に加わります。

これは子供に認知能力が発達してきたからです。

このくらいの年齢の子供は他人の視点を理解できるようになるので、自分の嘘が相手からどのように見られているかを考えるようになるのです。

ちなみに、子供が嘘をつく理由は大人とほとんど変わりません。

幼いうちは、とにかく罰から逃れるために嘘をつきます。

しかし、歳をとるにつれて、子供はさらに別の嘘も学んでいきます。

その嘘が、相手を傷つけないようにするための嘘、そして相手に失礼にならないようにするための嘘です。

心理学者のカン・リーは実験によって3歳の子供に「礼儀による嘘」が見られることを発見しています。

歳をとるにつれて、嘘をつける子供の割合は上がっていきます。

それでは、親は嘘をつかないのでしょうか。

親は、子供がすぐに嘘をつくと考えがちですが、自分自身も親として常に正直というわけではないということを、時々忘れてはいないでしょうか。

「食べ残したら、明日は雨が降るよ!」

「お父さんが初めてビールを飲んだのは成人してからだ」

「私がお前位の頃には、そんなこと思いもしなかったよ」

「iPhoneがどこにあるかって? 知らないなぁ」

親がこのようにして子供を騙すのは、その時々に、それなりの理由があるからでしょう。

しかし、いずれにせよ、親が子供より正直だなどという嘘はつかないほうがいいです。