他人と比較して優劣をつけてしまう理由とは

私たちは職場で上司、部下、同僚などの様々な人と仕事をしています。

そこで、自分と他人の能力を比較してしまうことがあるのではないでしょうか。

例えば、当期入社の同僚が自分よりも早く出世したり、ほめられたりすると、「なんで同じ年に入社したのにこんなに差が出てしまうのかな」と比較してしまい、落ち込むことがあります。

また、同僚の出世を素直に喜べない自分が嫌になってしまうこともあるでしょう。

多くの職場で相対的な評価基準が設けられているため、自己評価も相対的になる傾向があります。

ただ、相対評価は自分の成績を組織の中で明らかにでき、競争心を煽ることができますが、個人的な目標を立てづらいので、能力向上に直結しにくいといえます。

他人と比較すること自体は悪いことではありません。

というのも、悔しいと思う気持ちが自分の成長をにつながるからです。

また、確実に個人の能力を高めるためには、周りの人と比較しない絶対評価や、自分の個性を総合的に把握して発達的に評価する個人内評価で自分の評価をするといいでしょう。

ストレスの多い社会で強く生きていく方法

自分ではよくできたと思ったのに、上司や同僚からは評価されず、「周りから嫌われているのか」と不満に思ったことはありませんか。

これは評価する基準が人によって異なるからですが、それを理解しておかないと、「なぜわかってくれないんだ」と疑心暗鬼になってしまいます。

もちろん自分の価値観は大切ですが、仕事をやる場合はチームワークも大切です。

職場の評価基準を把握し、周囲に同調することが大切です。

とはいえ、たまには自分の意思を貫けなかったり、ストレスを感じることもあるでしょう。

それでも続けていくには、自分のことを理解してくれる支持者を見つけることが重要です。

家族や友人など1人でも味方になってくれる人がいれば、安心感を得ることができ、強くなることができます。

そんな支持者を見つけるためには、深いコミニケーションを取ることが重要です。

現代社会で生きていく上では、嫌われるかもしれないという不安があるため、そうした付き合いを敬遠しがちですが、それを乗り越える勇気が必要です。

失敗しても自罰感情にとらわれず、問題解決に取り組む

仕事で失敗することは必ずしも悪いことではありません。

中でも青年期は失敗を恐れずチャレンジしようという要求水準が高まります。

要求水準とは、仕事や課題に対して、個人が達成しようとする目標のことです。

失敗を恐れずに挑戦しようとする人は高くなり、失敗を避けようとする人は低くなります。

最近では、失敗を繰り返して自信を失いたくないという理由で、若い時から確実に成功する方法を選ぼうとする人が増えています。

また、思い切って挑戦したものの、失敗して、その責任を全て自分で被ってしまおうとする人がいます。

そういう人は自罰感情が強いといえます。

失敗して、相手に迷惑をかけてしまったという罪悪感を減らそうとして、自分を責めようとします。

自分を責めているようで、実際は自分を守ろうとしているのです。

心理学において、自己懲罰はマイナスの感情から自分の身を守ろうとする防衛機制と考えられていますが、自分を責めすぎると心が病んでしまう可能性もあります。

失敗したら、自己懲罰にとらわれてすべての責任を自分でかぶろうとせず、まず失敗の原因を突き止めて改善策を探っていくようにしましょう。

改善策を考えることは、自分を奮い立たせる効果も期待できます。

資格や特技を身につけて自己評価を高める

目標に向かって努力していく中で、誰でも困難にぶつかることがあるのではないでしょうか。

「自分はやればできる人間だ。だから今はうまくいかなくても経験をすればできるようになるはずだ」と思うか、「自分は何をやってもうまくいかない。だから頑張っても意味がない」と思うかで、その後の結果は大きく変わってきます。

困難を乗り越えて成功できるのは前者です。

ここでは、困難を乗り越えていくための方法を知っておきましょう。

まず、自分に価値があると思える心理を自尊感情と言います。

これが高い人ほど、高い成果を残すとされています。

そのため、自尊感情を高める教育をすることが大切だと言われるようになっています。

逆に、自己評価が低く、「自分は何をやってもうまくいかない」と思っている人は、自尊感情も低いとされています。

このような思考の人は「嫌われたくない」「失敗したくない」という意識が強いので、必要以上に失敗を恐れてしまい、あまり成長できなくなってしまうのです。

また、もともと自己評価が高かったにもかかわらず、周囲に技術や学力が高い人が多くて、実力の差を見せつけられることで自信を失ってしまうというケースもあります。

他人と比較して自分の能力の低さを嘆くのではなく、こういった状況から脱却するには、まず自己評価を高めることから始めてみましょう。

そのために効果的なのが、自分の得意分野を手に入れることです。

例えば、努力が結果につながるような資格を取ったり、他人が真似できないような特技を身につけるというのがお勧めです。

また、数学が苦手でも体育が得意な人がいるように得意分野は1つの分野に限られるわけではありません。

自分が得意な分野を見つけるために、様々な角度から探してみると良いでしょう。

失敗を自分の都合のいいように解釈する人の心理

仕事をしている以上は、失敗を避けて通ることはできません。

とはいえ、わざわざ失敗したいと思う人はいないでしょ。

それでは、失敗をした時にどう対処するでしょうか。

例えば、あるビジネスの企画を立てるとします。

しかし、努力をしても、他の人の企画が通った場合、失敗を自覚できない人は、「どうせ採算の合わない企画だから、やってもうまくいくわけない」という言い訳をする傾向にあります。

このように目標が達成できなかった事実を「どうせ失敗する」と、自分のせいではなく、自分の都合のいいように解釈します。

そうすることで、「企画が採用されなかった」という自尊心を傷つけないようにしようとします。

このような心理をフロイトは防衛機制の1つの合理化と言っています。

防衛機制とは不安な気持ちを避けることによって、安定した心理状態を保とうとする心理が働くことです。

もちろん、心の負担を軽減するには効果的かもしれません。

しかし、自分の失敗を受け入れようとせずに周囲の人の責任にしていては、自分自身が成長しません。

失敗の原因を突き止めて、何度も挑戦していくことで成長することができます。

ですから、うまくいかなかったという事実を受け入れて、次につなげていくことが重要です。

自信過剰な人とコミュニケーションを取る方法

あなたの周囲に「自分は絶対に出来る、絶対に大丈夫だ」と思い込んでいる自信過剰な人がいないでしょうか。

職場などの組織の中では、意見が対立したり、扱いにくいことがよく起こります。

とはいえ、「自信過剰なことを言うのはやめてほしい」と露骨に言ってしまうと、人間関係にひびが入る危険性があります。

自信過剰な人はよく他人と比較して優越感を感じる傾向があるようです。

言い換えれば、「他人に認められたい」という気持ちが強いのかもしれません。

「絶対うまくいく」と自分に言い聞かせることで、不安な気持ちを払拭したり、苦手なものを目の当たりにしても、見て見ぬふりをしているのです。

そんな人の弱点を把握した上で、客観的に接することが、うまく付き合うきっかけになります。

「積極性が高いのは、その人が優れていることの表れ」と考えて、その人が職場に必要な人材であることを認めましょう。

会議で反論を唱えることは、議論に拍車をかけ、新たな意見を引き出す効果があります。

心理学では、少数派の意見が多数派に影響を与えることをマイノリティ・インフルエンスと呼んでいます。

マイノリティ・インフルエンスにはモスコビッチの方略とホランダーの方略の2種類があります。

モスコビッチの方略とは、少数派が自分の意見を主張し続けることで、多数派に影響を与えることです。

粘り強く意見を主張することで、多数派は少数派を理解し、その意見に賛成するようになります。

ホランダーの方略とは、集団内で実績のある人がその実績をもとにして、集団から理解されることです。

優秀な経営者が一言で多数派を納得させられるのが、これにあたります。

会議で意見を言わない人の心理

会議では、多くの意見を出してもらい、実りあるものにしたいと思うはずです。

しかし、実際に発言するのは常に同じ人だったり、誰も発言しなかったりすると、
やりづらいと感じてしまいます。

参加者の反応が全くなければ、わざわざ会議を開いた意味がありません。

それどころか、会議が終わってから「あの結論は間違っている」などと陰で文句を言われても、どうしようもありません。

会議で意見を言わず、後で不満を言う理由は2つあります。

1つは仕事へのモチベーションが低いことです。

もう一つは意欲はあるものの、発言することによって生じるリスクや不安を感じたくないというケースです。

このような人は、本当は自分の意見を聞いてもらい、相手に自分の存在を認められたいという承認欲求が強い一面があります。

そのため、会議では「あなたの意見を聞かせてください」と言って発言してもらうことが効果的です。

そして、一方的に否定せず、認めてあげれば、やる気を引き出すことができます。

指示待ちタイプの部下を動かす方法

「与えられた仕事は無難にこなすものの、その他の仕事は指示がなければしない」「気をきかせて対処することができない」と言う受け身的な仕事をしている指示待ち社員に悩まされたことがあるでしょうか。

このような社員のほとんどが、これから何をすればいいのか分かっていません。

つまり、これからどのような展開で仕事が進んでいくのかを予測できないので、どのように行動すればいいか想像できず、動くことができないのです。

これは、幼少期から親に細かく指示されて育てられたために、考えて行動することができなくなってしまったというのが理由の1つとされています。

とは言うものの、指示したことに関してはしっかりとこなすので、やる気がないというわけではありません。

上司は「言われた通りにしなさい」という指示をするのではなく、まず仕事の1部をやらせてみて、何をどのようにすればいいのか、手順を考えさせるヒントを与えてみましょう。

そこで仕事が面白いと思わせるような動機づけを持たせることが重要です。

動機づけには、外発的動機づけと内発的動機づけの2種類があります。

外発的動機づけとは報酬や地位を与えるなど、外部からの刺激で行動することで、内発的動機づけとは興味などによって生じる動機のことです。

部下のやる気を引き出して成長させる方法

あなたの周囲にやる気がない部下がいたら、どのように接するでしょうか。

叱られて伸びるタイプの場合は、「もっとがんばれ」「もっとできるだろう」と気合を入れることで、部下は「上司から高く評価されたい」という心理が働き、熱心に仕事に取り組むようになります。

しかし、すべての部下が叱られて成長するわけではありません。

叱られ慣れていない人は、萎縮してしまう可能性があります。

そういう人のやる気を高めるのに効果的なのが、期待してあげる方法です。

人は褒められると、誰でも嬉しいものです。

たとえそれがお世辞だとわかっていても、嬉しいものです。

さらに、褒められつづけていると「自分にはかなりの実力があるかもしれない」と思うようになり、自分の能力に期待を持ち始めます。

すると、結果を出すにはどうすればいいのかを考えるようになり、実際に能力が上がっていきます。

心理学では、これを自己成就予言と呼んでいます。

他にも、上司の期待に応えるために、より仕事に励むケースもあります。

それにより、業績が向上することもあります。

上司が部下に期待し、部下は上司の期待に応えようとして成績が上向くことを、心理学ではピグマリオン効果と言います。

自己成就予言とピグマリオン効果を使いこなせば、部下のやる気を引き出すことができます。

例えば、「この企画は君が立案したから成功したのだよ」と言って部下を褒めます。

その次に部下に指示を出すのですが、そこで部下が不安を感じていたり、ほとんど理解できていないようなら、「これは君にしかできない仕事だ」と期待をかけたり、丁寧に教えたりします。

このようにして、上司が部下に働きかけることで、部下のやる気を引き出し、その期待に応えようとして仕事に励むようになるのです。

「昔は良かった」とノスタルジーに浸る上司の心理

飲み会に行くとよく「あのころは良かった」「今は色々と便利になった。俺たちは若い頃はパソコンもスマホもなかったし~」と、年長者から若い頃の話を長々と聞かされた経験はありませんか。

年配の上司の話なので無視はできないと思いながらも、本心では「早く帰りたい」と思いながら話を聞いているという経験は、社会人であれば、多かれ少なかれあることでしょう。

中高年が「昔はよかった」と言えるのは、 ①嫌な思い出が記憶から消しさられ、良い記憶だけが残っている。

②当時の苦しかった時代をよく乗り越えることができたという感慨に浸っている。

③年を取るに連れて若者の感性や時代から取り残される不安を避けたかったり、現実から目を背けたいと思っている。

④昔の話をすることで、それを知らない若者に対して優越感に浸りたい。

という場合があります。

年配の上司にこういった言動を変えてもらおうとするのは基本的には難しいことです。

しかし、このメカニズムを理解しておくと、飲み会などでノスタルジーに浸る年長者の心理を少しは受け入れることができて、適度に対応できるかもしれません。

ウマが合わない上司との接し方

「あの上司とはいつも意見が噛み合わないな… 」と、あなたに付き合いにくいとおもっている上司がいるとします。

人は尊敬できない人と距離を置こうとする性質があるのですが、組織の中ではなるべく関わらないようにしようと思っていても、やはり限界があるでしょう。

そういう気持ちでいると、それが上司に伝わってしまい、放っておくと、上司との関係がどんどん悪化してしまいます。

上司と上手に付き合うことができれば、仕事をスムーズに行うことができるようになっていきます。

そのために押さえておきたいのは、「こちらから相手の考えを変えるのはかなり難しいということです。

とはいえ、自分の感情を押し殺して我慢していればいいというわけではありません。

また、相手にネガティブな感情を抱いていると、悪いところばかりが見えてしまうようになります。

そのことに気づくことが最も重要です。

まずは多方面から客観的に相手を見て、自分の偏見を改めることを考えましょう。

例えば、上司の個人的な話を聞くことで、意外な一面を知ることができれば、少しは思い込みが改善されるはずです。

それによって、お互いの気持ちがほぐれて人間関係が改善していくことでしょう。

ベテランの女性社員を味方につけて職場の雰囲気を良くする方法

現代では女性が社会進出することが増えて、年配の女性職員も増えてきました。

彼女たちは経験が豊富で、仕事に関する多くの知識を備えており、実務だけでなく、職場の人間関係の対処法についても丁寧に指導してくれる人が多いようです。

しかし、それが裏目に出て、彼女たちから敬遠されてしまう場合もあります。

人は無意識のうちに他人よりも優れているという自尊感情を維持しようとする特徴がありますが、経歴が長いということで、周囲の人と差をつけようとしているために、人間関係について指導しようとするのかもしれません。

というのも、若い社員が入ってきたり、ITがビジネスの主流になっている今と昔では仕事の進め方が異なるため、「時代に取り残されてしまうかもしれない」という不安が生じるようになっているからです。

そうなってしまうと、「自分は他の人よりも劣っているかもしれない」と頭の中が劣等感でいっぱいになり、場合によっては感情的になってしまうこともあるようです。

彼女たちと良好な人間関係を築いていくには、彼女たちに頼っている姿勢を示すことが重要です。

そうすることで、職場の雰囲気も良くなっていきます。

メールの返事が来なくて気になってしまう人の心理

メールの返事が来なかったり、無愛想に返事をされてしまい、「嫌われたのかもしれない」「気に障ることを言ってしまった」など、不安になった経験があるでしょうか。

このように自分の思い込みで解釈することを、心理学では妄想性認知と呼んでいます。

このようなことが起こるのは、相手の真意を確認せずに、自分で決めつけてしまおうとするからです。

これはコミュニケーション不足によって不安が生じることで起こる現象ともいえます。

特にメールは文字だけでコミュニケーションをとることになるので、相手の真意を読み取ることが難しく、妄想性認知になりやすくなってしまいます。

思い込みが強くなりすぎると、日常生活にも支障をきたすので、できれば直接話をして、相手の真意を確認してみましょう。

その際に、「なぜメールの返信が遅くなったんですか」と露骨に聞くのではなく、「なんか最近忙しそうですね」というように遠回しに聞くことがポイントです。

メールでしか連絡を取れない場合は、真意とは無関係な内容のメールを送って様子を伺うという方法もあります。

嫌味を言われても平静を保つ方法

ビジネスでは、いろいろなタイプの人と会う機会があります。

その中には、攻撃的なタイプの人もいるでしょう。

例えば、あなたが関わっている企画に対して「よく頑張ったと思うけど、自分ならもっとうまくできたと思うんだよね」というように嫌味を言われるのは、正直言ってあまり気持ちのいいものではありません。

「なぜあの人はあんな嫌味を言うのだろう」と、自分で考えれば考えるほど嫌味を言われた印象が強く残ってしまいます。

「嫌味を言われたのは〇〇が原因だ」と自分で答えを決めつけてしまうと、さらに心が傷つき、立ち直れなくなってしまいます。

心理学ではこれを自己説得効果と呼んでいます。

嫌味を言う原因はいくつかありますが、主なものは、①心の余裕がないときに、「どうせ誰にも認められないし、理解してくれる人なんて誰もいない」という嫉妬心がある場合か、②自分よりも格下だとなめている場合です。

①は味方になってくれる人が誰もいないので、攻撃される前に攻撃しようとして嫌味を言いながらも、「理解して欲しい」「認めてもらいたい」と相手に理解を求めています。

ですから、相手に嫉妬されないように対処することが重要になってきます。

②は自分よりも相手を格下に見ることで、優越感に浸っているため、嫌味を言うことが快感になっています。

こういうタイプは、相手の反応を見て面白がっているので、嫌味の内容そのものには何の意味もありません。

ですから、相手に「それどういう意味ですか」と聞いてみましょう。

何度も聞いてみることで相手も言いにくくなり、嫌味を言われることが少なくなるでしょう。

また、嫌味を言われて心が傷ついたふりをすると、相手は一瞬たじろぎますが、傷つけたという自責の念から逃れようとして、逆に相手を攻撃しようとする場合もあります。

心理学ではこれを自責の念による反応増幅仮説と呼んでいます。

攻撃的になっても気にしないフリをしたり、真剣に聞こうとすることで、相手は「ちょっと言い過ぎたかな」と感じるようになるので、冷静に対処するようにしましょう。

カドを立てずに強引な依頼を断る方法

人から頼まれると、そんなことをする余裕がなくても引き受けてしまうことがありませんか。

そんな人は相手に好印象を与えるものの、「この人は何でも引き受けてくれる」と思われて何度も頼み事をされてしまいます。

そうすると、徐々にストレスを溜め込んでしまい、つぶれてしまう可能性があるので、あまり良い方法とは言えません。

断れないのは優しいからとみなされがちですが、その一方で、頼んできた相手に嫌われたくないという気持ちから、頼み事を引き受けてしまう人もいます。

そして、「相手に嫌われるよりは面倒でも引き受けた方がマシだ」と考えて引き受けてしまうのです。

もし、思い切って断っても相手に納得してもらえる理由が伝わらなければ、かえって不機嫌にさせてしまう可能性があります。

断るときに相手からの印象を良くするためには、「すいません。ご一緒したいのですが、あいにく本日は先約がありまして、明後日でしたら大丈夫です」というように、まず誠意を込めて謝り、次にその理由や代替案、その場に適した言葉を付け加えてはっきりと伝えましょう。

そうすると、相手に嫌な印象を抱かせずに済みます。

無理なお願いを人にするときに役立つ方法

「今日中にこの書類をまとめてもらいたい」などと、無理を承知の上で膨大な書類の整理を相手にお願いしなければいけないケースがあります。

そういう場合に役に立つのが、説得的コミニケーションと呼ばれる心理術です。

その種類は5つあるので、下記のテクニックをお願いする相手や内容によって使い分けましょう。

また、依頼する際に理由を添えることで、受け入れられやすくなります。

例えば、「書類をまとめてもらいたい」というよりも「明日の朝の会議で必要だから、書類をまとめておいてもらいたい」という理由をつけた方が相手の理解を得やすくなります。

心理学では、この現象をカチッサー効果と呼んでいます。

簡単なお願いの場合は、内容とはほとんど関係のない理由でも受け入れられやすくなるので効果的です。

また、カチッサー効果は、人を食事に誘う場合にも利用できます。

「一緒に食事に行こう」だけでは相手に警戒されますが、「近くに美味しいお店を見つけたから」「最近、新しいお店ができたから」などと理由付けをすると、相手の警戒心が和らぎます。

説得的コミュニケーション

①段階的要請法

最初に簡単なお願いを受け入れてしまうと、次に難しいお願いをされても断りにくくなるという心理を利用します。

②譲歩的要請法

相手に断られることを前提としてお願いをし、断られたら次に、前よりも小さなお願いをして説得する方法です。

初めに大きな依頼を断ったことで後ろめたさが残り、小さな依頼を「これくらいなら受けてもいいかな…」と感じて引き受けます。

③承諾先取り要請法

最初に相手に好条件を出して、受け入れられた後に相手にとって不利な条件を付け加えます。

相手は1度受け入れているので、別の条件であっても断りにくくなります。

④片面提示

相手にお願いをする際に、メリットのみを強調して説得します。

相手にメリットがわかると、クレームが来る可能性もあります。

⑤両面提示

メリットだけでなく、デメリットも伝えることで、説得効果を高め、相手からの信頼を得ることです。

交渉を有利に進められるランチョン・テクニック

飲食をしながら商談や交渉をして、納得してもらいやすくしようとすることを心理学ではランチョン・テクニックと呼んでいます。

経営者や政治家が料亭や高級レストランで会食するのもランチョン・テクニックの1つです。

食事をしながら交渉をするのが効果的なのは、美味しい食べ物を食べることによって、気分が良くなるからです。

この現象を心理学では、連合の原理と呼んでいます。

連合の原理とは、2つの現象が相互に関連があるという錯覚をもたらし、心地よい感情が湧き出しているときに聞いた話が心地よい体験と重なるという原理です。

食事をしているときの心地よい体験が相手を心地よくさせるので、食事中の会話の内容を積極的に受け入れるようになります。

そのため、交渉などで言いづらいことを言う場合には、相手が心地よいと感じているときに話すと、案外簡単に話が進むかもしれません。

ただし、うるさかったり、雰囲気が良くないと、逆効果になる可能性があります。

そのため、交渉でどうしても成功させたいというときには、お店選びへのこだわりが重要です。