たった3秒で買う人だけを見分けるテクニック

例えば、パソコンを買い換えようかと思い、とりあえず見に行った家電量販店で、どんなタイプがあるのかと、ゆっくり見て回って、ちょっと立ち止まった時に、

「今日はどのようなパソコンをお探しですか? 」

「こちらは只今人気の新製品になっておりまして… 」

「お予算はどのくらいをお考えでしょうか? 」

と立て続けに販売員に話かけられ、

「まぁ…(あっち行ってくれないかな)」

「今日はちょっと見てるだけで(ゆっくり見たいんだけど…)」

「今すぐという訳じゃないんだけど…(聞きたかったらこっちから聞くから…)」

こんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

「めんどくさくなってすぐに帰ってしまった」という経験をされた方もいるでしょう。

逆に、少し放っておかれてから、こちらから興味のある商品について聞いてみたいと思ったときにさりげなく、

「宜しければご説明しましょうか? 」

と声をかけてくれる販売員の方もいます。

あなたならどちらの販売員の方から商品を買いたいでしょうか。

お店に来るお客さんの中には、

①商品を買いたい人(説明してほしいものの、販売員から声をかけられずにいる人)

②購入を検討中の人(買おうと思っているけど、迷っている人)

③商品を買わない人(販売員に声を掛けて欲しくないという雰囲気をかもし出している人)

の3種類います。

販売員に要求されるのは、売り場にやってきたお客さんがどういうタイプかを的確に見極め、臨機応変に対処することです。

それでは、「今すぐ買いたい人」や、「とりあえず見に来ているだけの人」をどのようにして見分ければいいのでしょうか。

ギネスブックに載っている世界で最も自動車を売り上げたセールスマンは、買う人と買わない人はそれぞれ何らかのサインを出しているといいます。

例えば、パソコン売り場でパソコンを触って、操作している人は半数は購入するけれど、触らずに見ているだけの人は1割くらいしか買わないということです。

パソコン売り場に来ているお客さんは、今日買おうと思って商品を見比べている人か、あるいは、とりあえず新製品を見に来ただけという人がほとんどでしょう。

そして、パソコンの前で立ち止まって見ている人は、考えている真っ最中の可能性が高いです。

例えば「こっちのパソコンと向こうのパソコンではどちらが性能がいいかな」とか、「このパソコンを机の上に置いたらどんな感じになるかな」など、頭の中で考えを巡らせているわけです。

つまり、この段階ではまだ声をかけるタイミングでは無いということです。

また、店員から話を聞きたいという状態ではないと考えた方が無難です。

そこで話しかけると、お客さんが考えているのを邪魔するだけです。

しばらくして、この商品を買わないと決めた人は、そこから移動するでしょう。

商品が気に入らなかった証拠です。

しかし、もしパソコンのパンフレットを確認したり、キーボードをいじりだしたりするようであれば、そのパソコンに興味を持っていると判断できます。

すると、その人は次に同じ場所を往復したり、店員さんを探し始めるでしょう。

こういう状態になったときは声をかけるチャンスです。

これがお客さんが知りたい情報を求めているときに、それを提供するために声をかける絶好のタイミングなのです。

お客さんが立ち止まってすぐに声をかけるのでは、説明を求めていない人に無理やり情報を押し付けるようなものです。

もう少し待っていれば、お客さんが興味を持って、声をかけるタイミングが訪れたはずなのに、絶好のチャンスを逃してしまうことになるかもしれません。

逆に、説明を聞きたいと思っているお客さんを放置しておくと、これもお客さんを逃してしまうかもしれません。

販売では、商品の前で立ち止まったお客さんが、その商品に興味を持っているのか、いないのか、視線の動きや行動から判断して、声をかけるタイミングを見極めることが大切なのです。

お客さんが「商品を買いたい」というサインの1つが、前述した視線です。

パソコン販売であれば、お客さんは何を見ているのかを察知することが重要です。

商品に視線が向いている人は、話しかけてほしくないと思っているので、目が合わないでしょう。

しばらくして商品ではなく、周囲をキョロキョロと見出したら、すぐにお客さんに声をかけてあげるのです。

そこで目が合ったお客さんに声をかけるのが最適なタイミングです。

次々に商品を売ることができる店員の立ち方

声をかけるときは、そのタイミングが最も重要です。

しかし、なかにはタイミングが計りにくいお客さんもいるでしょう。

販売経験が浅くて、タイミングを掴むのが難しいという販売員の方であれば、なおさら焦る気持ちが出てしまうかもしれません。

あるいは、お客さんに声をかけなければ上司から仕事をしていないと評価されてしまうこともあるでしょう。

そのため、ここではとにかくお客さんに声をかける状況になった時の振る舞い方についてお伝えします。

お客さんにタイミングよく声をかけたら、次に大切なのが話す内容です。

大半の場合、最初からセールストークをしてしまうのですが、そうするとお客さんは「商品を売りつけられる」という印象を持ってしまいます。

自分から変えたいと思っていたとしても、相手から無理やり買わされるという印象を持ってしまうのです。

そのため、お客さんは商品説明を求めているのか、いないのかわからないときには、初めからセールストークをしないようにするのが重要です。

商品とは無関係な雑談から始めた方が良いでしょう。

セールスとは無関係な内容の話であればあるほどいいです。

その会話の中で、お客さんが商品説明を求めていると感じたら、その段階で初めてセールストークを始めます。

もしも、とにかくお客さんに声をかけるように教育されている家電量販店で販売員をしているのであれば、

「すいません。いろんな人に話しかけられ大変でしょう」

「放っておいてほしいですね」

「私たちもお仕事なので…、どうもすみません」

などと、お客さんが感じていそうなことを先回りして触れておくのです。

そうしてお客さんに対して、「私はあなたの気持ちを理解しています」「私も同じ気持ちです」という事を伝えます。

その後少し雑談を挟んで、お客さんが会話に応じてくれたら、そこで、

「もし聞きたいことがあれば、いつでも声をかけてくださいね」

と言って、少しずつセールストークに近づけていくわけです。

お客さんに声をかけるときには、まず初めに1度、お客さんの側に立って話をします。

つまり、売る側としてではなく、買う側、売られる側に立って話をするのです。

販売員の仕事をしている方は、お客さんとして同業者の店舗に買い物に行ってみると良いでしょう。

そのお店の接客を経験することで、お客さんの心理を理解することが大切です。

お店ではどうしても販売員対お客さんという関係で接客してしまいます。

そのため、どうしても対立関係になってしまい、心理的に歩み寄ることができないのです。

ですから、お客さんの心理に歩み寄るために、初めからお客さんの横に立って接客をします。

そうすると、お互いの立場が横並びになるので、販売員はお客さんに商品を進めているという立場ではなく、 2人で一緒に商品を選んでいるという立場になるのです。

立ち位置が違うだけで、商品を売られているという印象から、一緒に選んでもらっているという印象に変わるのです。

仲の良い友達にすすめられるのと販売員にすすめられるのとでは、仲のいい友達にすすめられた方が買いたいと思うでしょう。

ですから、「友達がパソコンを選ぶのを付き合っている」という程度の関係を築くことができれば、お客さんもセールストークに耳を傾けてくれるでしょう。

対面ではなく横に並ぶ、商品をすすめるのではなく、一緒に選ぶことで、お客さんに「この人から買いたい」と思わせることができます。

売れる販売員は聞くのが上手

成績の良い販売員というのは、必ずと言っていいほど、「お客さんが興味を持っていそうなことをお客さんに喋らせる」のが上手い人です。

商品や値段の説明以外はお客さんに話をさせて、聞き役に徹することができる人です。

また、お客さんに喋らせるのが上手い販売員は、お客さんに信用されやすいとも言えます。

売り込むよりも損をしないことを伝える

得をするか損をするか分からないという選択を迫られた場合に、人はどのような選択をするのかについて、ある心理学者が「プロスペクト理論」という検証を行っています。

「プロスペクト理論」とは、人は自分が得をする場合には確実性を重視し、損をする場合には博打に出るようになることです。

また、金額が同じならば、自分が利益を出して満足するよりも、損をした悔しさの方が気になって、損失を回避しようとします。

つまり、人は損をする恐怖の方が得をする喜びよりも強いということです。

これは買い物をする時も同様で、得をするよりも損をしない選択をしようとします。

ですから買って損をしないように、自分よりも詳しい人や専門家の意見を参考にしようとするのです。

そのため、販売員はお客さんからの質問に対して、堂々と答えなくてはなりません。

もちろんこれは偉そうな態度を取るという意味ではありません。

取り扱っている商品についてあまり詳しいことを知らないという場合でも、お客さんにそれを悟られてはいけないということです。

お客さんに商品に関する質問をされて、「これは最近入荷したばかりなので、私もまだあまり詳しい事まではよくわからないんです」などと絶対に言ってはいけません。

相手がかなりの知識を持っていて、ちょっと販売員を試してやろうと思っているような悪趣味な人でない限り、大半の場合、あまり詳しいことについて専門的な事まで聞かれることはありません。

しかも現代では、商品に詳しいお客さんは、店頭ではなくインターネットで買うことが多いはずです。

「これは他の商品とどこが違うの?」「どれがいいんですか?」という感じで聞いてくるお客さんは、ほとんどが自分では選ぶことが出来ない人です。

自分の考えだけで選んでしまうと損をするかもしれないという意識がある人です。

損をしたくないので一緒に選んでもらいたいと思っているか、自分よりも知識がありそうな専門家の意見を聞いて、安心感を得たいと思っているのです。

もしあなたが新人の販売員で、お客さんから質問された商品に関する知識がほとんどなかったとしても、「よく知らない」という雰囲気を出してはいけません。

堂々とした表情と態度で、「どのような場面でお使いになりますか? 」と言ったり、「新製品と旧製品との違いはこの3つです」などと言って、自分の持っている知識を総動員し、お客さんに安心感を与えるように気を配ります。

嘘の情報を流してはいけませんが、自信を持って話すことで、お客さんの「損をするかもしれない」という恐怖心を軽減できます。

手当たり次第に「これはいい製品ですよ」と売り込むのではなく、自分がその商品に詳しく、お客さんから専門家としての意見を聞かれているという意識で、自信を持ってその商品をすすめするのです。

自信を持ってすすめると、それがお客さんの「損をしたくない」という心理を刺激し、買いたいという気持ちに誘導しやすくなります。

自信なさそうに商品をすすめると、いい商品でも悪く見せてしまいかねません。

その商品の良さをお客さんに伝えることができなければ、お客さんに損をさせることになってしまいます。

販売員は、お客さんに損をさせないためにも、自信を持って商品の説明をする必要があります。

ですから、自分が取り扱っている商品に関して、事前に詳しい知識を蓄えておくべきです。

人は自分がいいと思っている商品でなければ売りにくいものなので、商品を好きになって詳しくなることが、接客をする際の自信につながるのです。

販売員は商品を売らずに信用を売る

販売員は商品を売るよりも、知識や個性、あるいは信用を売らなければなりません。

売り込むのではなく、的確なアドバイスをくれる人になることが重要です。

販売や接客をしている人は、常に自分がお客さんからどのように見られているかを意識する必要があります。

お客さんに対して売り込みではなく雑談をして、最初にメリットを与えることが大切です。

例えば、来週商品を入れ替えすることになっていたら、「来週はセールで30%offになりますので、その時にお買い求め頂く方がお得ですよ」とさりげなく伝えてあげます。

それまでに雑談をして打ち解けていれば、こうしたことでお客さんに信頼感が生まれ、その後も「この人から買いたい」と思われるようになります。

買い物に行った後に、お店のことは覚えていても店員のことは全く覚えていないという人も大勢います。

店員さんが自分の名前を名乗らないということも、そういった原因の1つです。

どうすれば自分がお客さんから信頼されるか、魅力的に見えるかを考えなければ、同僚が多いお店ではお客さんに存在感をアピールすることはできません。

ですから、お客さんにあなたに会いたい、あなたに選んで欲しいと思ってもらうにはどうすればいいかを常に考えることが大切です。

親切で面倒見の良い販売員は、多くのお客さんから支持されています。

人は、相手がとても親切だったり、自分のために一生懸命になってくれたりすると、自分も相手に何か良いことをしてあげなければいけないと思うようになるものです。

人は皆、感情が安定するポイントを持っています。

相手の行為がこちらの期待通りの時、期待通りのことを相手がしてくれた時に、人は最も感情が安定します。

しかし、相手の行為は自分の期待以上のことをしてくれた場合、バランスが崩れ、感情のポイントがずれてしまいます。

そうなると、人はポイントを元の状態に戻さないと落ち着かなくなります。

つまり、 「こんなことまでしてもらって、何か悪いな」という気持ちになるのです。

また、期待を上回ったものを相手に返すことでポイントを修正し、落ち着こうとするのです。

お客さんに自分をアピールするために、このような心理を有効活用するといいでしょう。

要するに、接客しているときに、お客さんに「何か悪いな」と思わせればいいのです。

例えば、お客さんから商品の在庫を確認して欲しいと頼まれたとします。

大半の場合は、「今からお調べしますね」と言って、倉庫の在庫を確認したり、他の店舗に連絡を取ったりして、在庫の有無をお客さんにお伝えするでしょう。

しかし、そこですぐに答えるのではなく、在庫を全て確認した上で、一旦お客さんのところに戻って、

「お待たせしてすみません。ただいま、当店には在庫がございませんので、他の店舗にもう一度問い合わせてみますね」

と言ってから、もう一度調べに行きます。

そうすると、お客さんは徐々に「自分のために頑張って調べてくれている」と思い始めます。

そして、急いでお客さんのもとに戻ります。

このようにして、思いやりを言葉や行動で伝えることが大事です。

ただし、わざとらしくならないように、さりげない感じでアピールします。

そうすることで、お客さんに「そんなに詳しく調べてもらって何か悪いな」と思わせることができます。

とはいえ、あまりのんびりしすぎると、仕事が遅いと思われてしまうので、少し時間がかかっているかなと思われる程度がちょうど良いでしょう。

相手の心理を利用することで、時間と労力をかけて探してくれたというを感じてもらうことができます。

そして、その恩が信用に変化し、その信用によって、「またあの人から買いたい」とお客さんに思ってもらえるようになるのです。

あなたの思い通りに商品が売れる方法

例えば家電量販店でデジタルカメラを買いに行って、同じメーカーで3種類のグレードが異なるモデルを販売員に見せられたらどれを選ぶでしょうか?

そんな場合、大半の人が真ん中のモデルを選ぶことが心理学的に証明されています。

その商品に関する知識があまりなくて、 2種類の価格帯しかない場合、約7割の人が価格の安いものを選び、 3種類の価格帯になると、真ん中の価格のもの選びやすいという現象があります。

購買心理として、最も高いものや、最も安いものではなく、真ん中を選択する傾向があります。

この心理をうまく活用すれば、売りたい商品をお客さんに自ら選んでもらうように誘導することができます。

つまり、売りたい商品があれば、それよりも値段が高くてグレードの高い商品と、値段が安くてグレードの低い商品を一緒に並べます。

そうすると、お客さんは真ん中の商品を取る可能性が高いので、売りたい商品を選びやすくなるのです。

この3つの商品を並べるときの値段の価格差は、6:4:3が効果的だと考えられています。

しかし、大半の販売員の方は、売りたい商品と同じ価格帯で同じグレードの商品を並べます。

その中でどれか1つでも売れればいいという意識が働くからかもしれません。

そうすると、お客さんは同じ価格で同じグレードのものをまとめて見せられるので、 1つに決めることができなくなるのです。

そうなると、結局は、「もう少し考えてからまた来ます」となる可能性が高いでしょう。

売りたいものを買ってもらいたいのであれば、グレードに差がある商品を用意して、横に並べるのではなく、縦に並べて提示するのが効果的です。

また、商品の数が多すぎると迷いが生じるので、選択肢の数は5つまでにします。

それ以上増やすと迷いが生じて選べなくなり、選べなくなると、最終的には買わなくていいと感じてしまうのです。

お客さんに積極的に選んでもらおうとするのであれば、選択肢は3つ以下に絞るのが無難です。

また、 3つの選択肢を提示する場合、最初に最も値段が高い商品、次に最も値段が安い商品、次に1番売りたい中間の商品と言う順番で見せると、お客さんは真ん中を選びやすくなります。

1番低いグレードは安っぽい感じがする。でも1番高いグレードは贅沢に感じる。だから、間をとって真ん中の商品を選ぼうとする。

このような人間の心理を上手に活用しましょう。

相手の思い込みをセールスに利用する

人はとても思い込みの強い生き物で、だれでも多少は思い込みを持っています。

思い込みは論理や理屈とは無関係なものなので、それを捨てるのは容易ではありません。

人の思い込みを完全に消し去るのはほぼ不可能でしょう。

しかし、本人が何らかの思い込みを持っていることを自覚し、他の人もみんな同じような思い込みを持っていると気づけば、その思い込みを逆に利用することができます。

例えば、洋服売り場で洋服を買いに来たお客さんが、「自分は黒い服が似合わない」と思い込んでいることが分かった場合、本人が似合わないと思っているので、無理に黒い服を進めないという方法もあります。

しかし、そこで逆に思い込みを利用することもできます。

黒が似合わないと思い込んでいるということは、今までに黒い服をほとんど買っていないはずです。

そんなお客さんの思い込みを取り除くことができれば、買ってみようと思わせることができるので、今後も黒い服を買ってくれるようになると考えられます。

では、黒い服が似合わないと思い込んでいるお客さんに黒い服を売るにはどのようにすればいいのでしょうか。

それにはまず、そのお客さんがどうして黒い服が似合わないと思っているのかを推測します。

人は思い込みを持っている場合、なんとなくそう思い込んでいるというケースはほとんどありません。

黒い服が似合わないと思い込むには、「地味だから」「体型を気にしているように見えるから」など、その人なりの理由があるはずです。

例えば、そのお客さんがおとなしい感じの人で、着てる服も赤やピンクばかりであれば、「地味な性格に見えるから黒は似合わない」と思い込んでいるのではないかと推測できます。

そこで、お客さんに「私は黒い服が似合わない」と言われたときに、それを否定する話から入ります。

「黒とか落ち着いた感じの色が似合うので、もったいないですよ」と、「もったいない」をつけるのがポイントです。

そこで、例えば、「クールでお洒落に見えますよ」「シックなスタイルでかっこよく見えますよ」と、「黒い服が地味に見える」という思い込みを逆手に取ります。

地味に見られたくないと言う相手の欲求を、相手が苦手とする黒を使って満足させるすすめ方をするのです。

初めから黒いシャツや黒いブルゾンが難しいのであれば、ワンポイントになるアイテムを黒にすることからすすめればいいのです。

それが変わるきっかけになることもあります。

少しずつ黒の面積を増やして、グレードアップしていけばいいのです。

とにかく1度試してみることが大事です。

まず、売る側がお客さんが商品を買うときに感じる不安を代わりに引き受けることによって、買いやすい状況を作ります。

もっともわかりやすいのが返品・返金保証です。

「もし試してみても効果がなければ全額お返しします」という販売手法で、「返品できるのなら、黒い服も試してみようかな」と購入しやすい環境が出来上がるわけです。

この場合、返金保証期間が長くなればなるほど、返品率が低くなるという調査結果が出ています。

人は好きな時にいつでも返金できると思っていると、返品することを忘れてしまうのです。


つまり、相手が持っているネガティブな思い込みを利用して、逆に思い込みをポジティブに生かせるように提案します。

そのようにしてお客さんの思い込みを覆すことができれば、その販売員はお客さんにとって「またこの人から買いたい」という欠かせない存在になれます。

今しかないと思わせる販売戦略

商品を販売する際に、「数量限定」「初回限定」などのように購入条件を付けると売れやすくなります。

例えば、整理券を持っていなければ買うことができない初回限定に並ぶ行列、スーパーのタイムセールに集まる主婦、お正月の福袋、 3億円が当たった宝くじ売り場、普段はあまり買わないのに、海外では買い物しまくる旅行など、人は「数量限定」や「タイムセール」「年に1度の大売り出し」「決算セール」などのフレーズに反応しがちです。

その理由は「数が少ないからみんな欲しがるはず」「他の人よりも先に欲しい」「今買わなければもう二度と手に入らない」「数が少ないなら少しぐらい高くても仕方がない」という心理が働くからです。

その根底に存在するのは、それが手に入らなかった時の後悔、あるいは、なくなってしまうかもしれないという恐怖です。

セールにはありがちなことではありますが、商品は何らかの購入条件を制限することで、桁違いに売れるようになります。

人は希少価値の高いものに付加価値を感じて、購買意欲をかき立てられるものなのです。

いつでも手に入れられるものより、供給が少ないものに価値があると感じて、それを目の前にすると衝動買いしてしまいます。

心理学の「希少性の原理」は、今までも、これからも効果的な販売方法なのです。

限定品だからすぐに買いたいけど、財布の中身はほとんどないというお客さんにも購入してもらえるのが、クレジットカードや電子マネー、分割払いなどの支払い方法です。

人は心理的に距離を感じるものや、多くの時間を要するものはイメージできず、心理的な距離が近いものや、時間がかからないものはイメージしやすい傾向があります。

買い物で言えば、商品を手に入れるのは短時間でできて、支払いは遅く感じさせればいいのです。

財布から現金を支払うというデメリットを、後払いというメリットのある方法で覆しているのです。