端午の節句の由来は?

端午の節句の端午は端の午の日という意味で、もともとは月初めの午の日を指していました。

午が5に通じることから、毎月の5日を指すようになり、のちに5月5日に限られるようになりました。

5月5日の呼び名は、「重午」「重五」だけでなく、「端陽」「菖蒲の節句」「あやめの節句」など様々です。

暑い季節に入る5月は、悪月または物忌み月などとも呼ばれており、病気にかかったり、亡くなる人も多かったようです。

そこで端午の節句には魔除け、厄除けのために薬効がある菖蒲や蓬(よもぎ)を軒に刺したり、髪につけたり、枕の下に敷いたりしていました。

また、粽(ちまき)や柏餅を食べて邪気を払うという習慣もありました。

江戸時代・元禄の頃の「日本歳時記」(1688年)には、端午の節句の行事が次のように記されています。

  • 菖蒲(しょうぶ)・よもぎを軒に挟む
  • 菖蒲酒を勧める
  • 粽(ちまき)を食べる
  • 薬玉を肘にかける
  • 菖蒲湯に入る
  • 競馬
  • 吹き流し
  • かぶと人形
  • 草あわせ
  • 薬草採取
  • 競渡

端午の節句で粽(ちまき)を食べる由来は?

粽の起源は、紀元前の中国の戦国時代までさかのぼると言われています。

楚(そ)の国の高官であった屈原に関連する故事にこんなものがあります。

楚の王族に生まれた屈原は楚の国王から信頼されて高官に任じられました。

しかし、屈原に嫉妬した上官が楚の国王に讒言(ざんげん)したため、楚の国王が屈原を疎んじるようになりました。

その後、楚の国王は秦に出兵しましたが、秦の国王が楚の国王に盟約を結ぶよう求めてきました。

そして、屈原はそれに反対しました。

しかし、楚の国王は屈原の進言を聞き入れず、臣下の子蘭(しらん)の進言を聞き入れて秦に行きました。

ところが、楚の国王は秦に捕らわれてしまいます。

そこから4年後、楚の国王は秦で亡くなり、屈原は秦に行かせた子蘭を恨みました。

しかし、子蘭は次の楚の国王になっていた襄王(じょうおう)に讒言し、屈原は江南に流されてしまいます。

失望した屈原は汨羅(べきら)という川にみずから身を投げ、亡くなりました。

この日が5月5日だったのです。

屈原の死を哀れんだ人々は、命日の5月5日に竹筒に米を入れ、水中に流して霊を弔ったといいます。

その後、漢の時代に屈原の幽霊が現れ、「毎年供物を捧げてくれるのはありがたいが、私のもとに届く前に龍にとられてしまうので、できれば龍が嫌がる楝樹(れんじゅ)の葉で米を包んで、5色の糸で縛ってから流してほしい」と人々に伝えました。

人々は屈原の希望通り、その後は楝樹(れんじゅ)の葉で米を包んで、5色の糸で縛ってから流したといいます。

この故事が由来となり、中国では5月5日に屈原の供養祭が行われるようになりました。

この5色の糸で縛ったものが粽(ちまき)の起源であるとされています。

団子を茅(ちがや)の葉っぱで包んだ粽には、「難を逃れる」という意味があるとされています。

そして、端午の節句に作られた粽は知人や親戚にも配られました。

端午の節句で柏餅を食べる由来は?

柏餅がこの世に現れるのは粽よりもずっと後のことです。

寛永年間(1624~1644)か、それ以降のようです。

というのも、俳句の季語を書いている「俳諧初学抄」(1641)には5月の季語に柏餅が書かれていませんが、1661~1673年頃に成立した戯作文学「酒餅論」には柏餅の説明があるからです。

このことから柏餅が登場した時期はこの頃ではないかと考えられるのです。

柏の葉は新芽が出てくるまで古い葉が落ちないことから、柏の葉を「家系が絶えない」「子孫繁栄につながる」ものとしたようです。

柏餅が登場した頃には塩餡(しおあん)が使われていたようですが、江戸後期には小豆餡や味噌餡が一般的になりました。

「守貞漫稿」には5月5日のところに、「赤豆餡には柏葉表を出し、味噌には裡(うら)を出して標とす」という記述があります。

つまり、包む柏の葉で小豆の柏餅と味噌の柏餅を識別していたのです。

また、「続江戸砂子」には、端午の節句を柏餅で祝うのは関東圏で、関西圏(上方)では見られなかったと書かれています。

また、「浪花の風」という書物でも、関西圏では粽にふき、茗荷の子、小赤豆、細根大根、さわらなどで端午の節句を祝っており、柏餅を作ることはほとんどなかったと書かれています。

現代では、5月5日の端午の節句はゴールデンウイークを形成する休日の1つとなっています。

それは都市部の人々にとってはレジャーの期間にあたります。

農村部では早稲の普及により田植えの時期にあたるため、あまり休んでいられない時期のようです。

とはいえ、端午の節句は子供の成長を祝う行事なので、少しゆとりを持って祝いたいところですね。

動画:Just One Cookbook